スギに対する舌下免疫療法

 アレルギーの原因であるスギの抗原を舌下に投与し続けることにより、体を慣れさせて不快な花粉症の症状を抑えようとする治療です。この治療は、投薬などの対症療法(症状を和らげ、苦痛を軽減するための治療)とは違い、病気の原因除去を目的とした原因療法で、花粉症完治の望みがある治療法です。また、皮下注射法とは違い痛みがありませんし、重篤な副作用の報告も少なく死亡例の報告もありません。
 1、2割の方が著効し、7割強の方に効果があります。逆に言いますと2割強の方には効果がありません。効果があって治療を終了した場合も、その後の効果が減弱する可能性はあります。
 2年程やってみて効果があれば、計4,5年継続することをお勧めいたします。
 治療開始時期は花粉飛散期以外となります。(5月~12月末の間で治療開始)


副作用について

 口腔掻痒感や口唇、頬粘膜、舌の腫れといった口腔内の局所反応がほとんどであり、喘息、蕁麻疹
消化器症状(下痢、吐き気)などの全身症状も稀ではありますが報告されています。
副作用が出やすい時期は、
① 毎回の投与後の30分以内
② 服用開始初期(1ヶ月)
③ スギ花粉飛散期(2~4月)とされています。
副作用発現を避けるために、
① 投与後、少なくとも2時間は激しい運動や入浴などを避ける
② 投与直後の飲食、特に飲酒は避けるようにしてください。


適応と禁忌(できる人とできない人)

適応 
① 12歳以上の方(当院では18歳未満の方の場合、治療初回は保護者同伴が必要です)
② スギ花粉症の方(事前にアレルゲン検査が必要です。他院結果も可。当院では1年以内の検査結果を参考にさせていただきます。)
 
禁忌 
① β阻害剤(高血圧薬など)を内服している方
② 治療開始時に妊娠している方(投与中に妊娠が生じた場合は、問題ないとされている)
③ 不安定な重症喘息がある方、また1年以内に喘息発作がある方は当院では治療開始できません。④ 全身的に重篤な疾患(悪性腫瘍、自己免疫疾患、免疫不全、重症心疾患、慢性感染症)
⑤ 全身ステロイド薬や抗がん剤を服用中の方
⑥ 発熱を伴う感冒など急性感染症にかかっている方


投与方法

 初回の投与は、当院内で行います。副作用の発現を確認するため、30分は院内にいて頂く必要があります。(診察終了の1時間前で受付終了とさせていただきます。)2回目以降は、ご自身で行っていただきます。
 毎日一回、アレルゲンエキスを2分間舌下に保持した後、飲み込むか吐き出す(正式にどちらの方法か未決定です)。その後、5分間はうがいと飲食は控えて下さい。

 以下の場合は、投与を控えるようにしてください。
① 喘息発作時、気管支喘息の症状が激しい時
② 口腔内の掻痒などの症状が酷い時
③ 抜歯後などの口腔内の術後または口腔内に傷や炎症等がある時
④ 感冒時や体調が悪い時
⑤ 舌下投与を長期に中断し、再開する時


その他の注意点

・ 治療中に異常が認められた場合は、直ちに受診して下さい。
・ 誤って過量を服用した場合は直ちに吐き出してうがいをし、翌日以降は正確な用量を服用してください。
・ 誤って舌下に保持せず飲み込んでしまった場合には、同日は再度の服用は行わず、翌日以降に改
  めて正しい用法用量で服用して下さい。
・ 服用を忘れた時は、同日中に気付いた場合にはその日の分を服用し、また前日分の服用を忘れた
  場合には翌日に一日分のみを服用して下さい。つまり、1日一回分のみの服用となります。
  例:増量期2日目の服用忘れを3日目に気付いた場合、3日目であるが2日目の用量を服用する。翌日からは3日目の用量に戻して下さい。



※スギ舌下治療御希望の方へ
 初回は説明で20分程度+薬剤投与後の30分間、合わせて約1時間は
 院内にいていただく必要があります。




※スギ舌下治療に関しては上記に加えて、受付できる期間が5月~12月末です

 

ダニに対する舌下免疫療法

 ダニに対する舌下免疫療法もスギに対するものと同じ原理です。アレルギーの原因であるダニアレルゲンを舌下に投与し続けることにより、体を慣れさせてアレルギー症状を抑えようとする治療です。この治療は、投薬などの対症療法(症状を和らげ苦痛を軽減する為の治療)とは違い、病気の原因除去を目的とした根本的な治療法です。また、皮下注射法とは違い痛みがありません。
 効果はスギに対するものと同程度です。1、2割の方が著効し、7割強の方に効果があります。逆に言いますと2割強の方には効果がありません。効果があって治療を終了した場合も、その後の効果が減弱する可能性はあります。1、2年程やってみて効果があれば、計4,5年継続することをお勧めいたします。
 平成28年6月より、スギと同じく1か月の長期処方が可能になりました。通院のご負担が軽減されました。



副作用について

【主な副作用】
のどの刺激感、口内の腫れ、口や耳の痒みなどの症状
※増量期において、口内・のどの腫れ・吐き気・消化不良などの症状が現れた場合は相談して下さい

【重篤な副作用】
アナフィラキシー


副作用が出やすい時期   …
①毎回の服用後の30分以内
②服用開始初期

副作用発現をさけるために
①投与前後、2時間程度は入浴や激しい運動、アルコール摂取等を避ける
②投与直後(5分間)の飲食、特に飲酒は避けるようにして下さい


適応と禁忌(できる人とできない人)

適 応 
①12歳以上~65歳未満の方(当院では18歳未満の場合、治療初回は保護者同伴が必要)→12歳未満の方・65歳以上の方には使用経験がないため
②ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎の方(1年以内の採血結果が必要です。他院結果も可)

禁 忌 
・アレルギー性鼻炎の原因となるアレルゲンがダニではない方
・β阻害剤(高血圧薬など)を服用している方
・妊婦の方、妊娠の可能性がある方、授乳中の方
・不安定な重篤喘息がある方
・全身的に重篤な疾患(悪性腫瘍、自己免疫疾患、免疫不全、重症心疾患、慢性感染症)
・全身ステロイド薬や抗ガン剤を服用中の方
・三環系抗うつ薬及びモノアミオンキシターゼ阻害薬(MAOI)服用中の方
・発熱を伴う感冒など急性感染症にかかっている方


服用方法

初回の服用は、当院で行います。副作用の発現を確認する為30分は院内にいて頂く必要があります。(診察終了の1時間前で受付を終了させていただきます)2回目以降は、ご自身で、行っていただきます。

①1日1回の服用です
②お薬を舌の下に入れます。
③約2分間保持したあと、飲み込みます(完全にお薬が溶けるまで唾液は飲み込まないでください)
④服用後5分間は、うがいと飲食は控えて下さい


お薬の種類・用量について

アシテアはダニ抗原含有量の異なる2種類の錠剤(100・300)があります
最初の3日間を増量期とし、1日目 100を1錠、2日目 100を2錠、3日目 300を1錠 …と内服する量・種類が異なります。4日目以降は、300を1錠、1日1回内服していきます


※副作用などにより、増量期を長く続ける場合があります。 増量期に副作用が出た場合はご相談下さい


以下の場合は、服用前にご相談ください

・喘息発作時、気管支喘息の症状が激しい時
・口腔内の痒みなどの症状がひどい時
・抜歯後などの口腔内の術後または口腔内に傷や炎症等がある時
・感冒時や体調が悪い時
・服用を長期に中断し、再開する時


服用間違い・服用忘れ

・誤って過量を服用した場合は直ちに吐き出してうがいをし、翌日以降は正確な用量を服用してください
・完全に溶ける前に飲み込んでしまった場合には、同日は再度の服用は行わず、翌日以降に改めて正しい用法用量で服用して下さい
・服用忘れは、同日中に気付いた場合⇒その日の分を服用する翌 日 に気付いた場 合⇒1回分のみ服用して下さい
※増量期2日目の服用忘れは、3日目に2日目の服用予定用量を服用して下さい
・いずれの場合も1日に決められている用量以上は服用しないでください




※ダニ舌下治療御希望の方へ
 初回の説明で20分程度+薬剤投与後の30分間、合わせて約1時間は
 院内にいていただく必要があります。




※ダニ舌下治療は、随時受付をしております(特別な期間は設けておりません)

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